film
自分のこころを自由に…
山本貞子
自分を殺すことで、自分を表面に出さないことで、“ずっと、我慢してきた自分がいる”と思ってたんです。
 それで、主人に「お父さん。今まで我慢してたことをお父さんに全部、言わないと、私はあの世に行けない!」って言ったんです。
 (亡くなった)主人に今は、本当、申し訳なかったと思ってます。

 家の中が揉めてるから、主人はもうずっと、午前様。だから、麻雀したり、仕事で行ったり、仕事一途な人でしたからね。
 “お父さんはずっと、午前様で、家族を顧みなかった人だ”っていう思いで、責めた自分がいた。それが主人が亡くなる何年か前ですよ。
 子どもたちも聞いてるし、主人にも直接、言いましたから……。ひどいでしょ。
 私は、子どもの時の教育が“主人を立てて、当たり前。自分を殺して、初めて、家の中が収まる”っていう感覚で、今まできてたんです。
 だけど、ここ最近、両親を見送り、妹も施設の方に預けて、やっと、“あっ、自分は自分でいいんだ!”って。
 “自分のここが悪かったんだ”って思うには、自分のこころが自由でないと気がつかないと思い始めて……。自分を今まで殺してたんだから、私はお父さんに今までのことを全部……。
 だから、子どもたちもつらかったことを主人の前で、チラッ、チラッとほのめかして……。
 それで、最近の娘との会話です。「お母さんの言ってた言葉がね、私、非常に傷ついた」って。「お母さんは座を賑わそうと思って言った言葉だと思うけど、私にはとってもつらかった言葉だ」って言われて、「あっ、そうだったの。悪かったわね」、「ごめんなさい」を初めて、子どもに言えたと思うんです。

 だから、やっと今、「ごめんなさい」と……。「ごめんなさい」も言ってくれてたのは、主人の方が先だったんですよ。その時も“お父さん、「ごめんなさい」言ってたよね。「ありがとう」言ってたよね”って、そこでも、まだ、気がついてなかった。
 今、やっとですよ。
 みなさんね、ご主人いらっしゃる方は、大事にしてあげてください。
 とにかく、自分の欠点を見つめるのも、自分の長所を見つめるのも、“素直な気持ちでないと、気がつくことが無いな”と思うのが、今の自分です!
Copyright©2023