film
今は2人で
池 昌隆
 昨年、本当に、久しぶりに、この「中国・四国ブロック懇談会」に出席させていただきました。
 その中で、鼎談の中で聞いた一言が自分のこころにささって、それが妻への感謝の気持ちに繋がっていって、ひょんなことから、全体会で……、えー、まぁ、自分のその今の気持ちを発表してしまいました。
 妻も当日は、ちょうど、サブ司会で参加させていただいておりまして、当然、コメントを求められるのは、当たり前で……。で、彼女は、当時の彼女の心境を語りました。
 その中に、「私、あまり好きじゃなかった」と、「あなたのこと、あまり好きじゃなかった」という衝撃的な発言がありまして……(笑)。私はホンマに……、そこでうろたえもしましたし、会場全体が「えー?」みたいな、“ザワッ”としたような雰囲気も覚えています。

 でも、よくよく話を聞いてみたら……、というとこなんですけど。要は、彼女は長いこと務めた保育園を辞めて、それから新しい仕事が、すぐ近所で飲食店の立ち上げがあって、「そこに来てくれ」いうことで、行き始めたんです。
 本当にもう、献身的に、朝の8時から晩は夜9時、10時まで、横から見ていても、一生懸命、取り組んでいたんです。
 でも、上司の方と折り合いが合わず、徐々に、精神的に追い込まれ、また、職場的にも、なんかこう、“自分がもう、ここにいたらいかんのじゃないか?”みたいな感じになってですね。
 しんどい思いをしていた時に、私に「もう、お父さん、辞めたい」と。「私、もう、この仕事、辞めたい」って言われた時に、「60歳も過ぎて、そんなしんどい思いするんやったら、辞めたらええわ!」みたいな、答えを返したんですよ。
 そんなしんどい時に、彼女が2時間ぐらい離れた、遠い、遠い水族館まで、「お父さん、行ってみん?」ということになって、「孫もおらんのに、二人で行くのか?」みたいな感じですね。まぁ、出て行きました。
 その道中の車の中、それから、雨が土砂降っていましたけど、雨の土砂降りの中、ガラガラの水族館を二人で一日かけて、“なんやかんや”って話しながら過ごすうちに……。彼女はまあ、「一番 近くで……」、なんていうか、「“支えてくれている人がいるんや”ということに気がついた」という話でした。実は!
 まあ、あのう……、「私、あまり好きじゃなかった」という言葉が衝撃的で、ちょっと、一人歩きし過ぎてですね。まわりの方からその後、懇談会の後、「帰りの車の中、大丈夫だった?」とか、「その後、どう?」って、声もかけられたんですけど……。
 帰りは行きつけの、近くのお好み焼き屋で「お疲れさん会」もやって、それから、ゆっくり帰ったんですけど、それから1年、経ちました。

 最近は、高松までうどんを食べに来たりですね。私は50年来の在阪球団の大ファンなんですけど、先日、彼女をちょっと、甲子園球場まで誘いまして、全然、プロ野球なんかに興味ない妻なんですが、それも付いて来てくれてですね。
 今では、某、在阪球団が勝った日には、もう、テレビ中継なんか見よっても、最後のヒーローインタビューまで観てくれるように、家庭内で阪神ファンをつくりました。
 でも、あの……、すみません。
要は、言いたいことは、“一番近くにいるからこそ、言わな分らんで!”と。「もう、お前、言わんでも分かっとるやろ」じゃなしに、やっぱり、声に出して言って、お互いが理解したら、その後、うまくいくんかなぁというところが、この1年間の、私の感想でございます。以上です!
Copyright©2023