film
何でかな?何でかな?
佐藤サミエ
 私は「“上から目線”でものを言う」っていうことをいつも注意されていたんです。つどいで話す時に、なにげなく話しているんですけども、「あんた、そういう話し方をしたら、後についていく人がいない」とか、いろいろと言われたことがあるんです。
 だけど、その“上から目線”というのがどういう話し方をしているか? 自分では全然、わからないんです。何が上から目線? 自分はどういうものの言い方をしているかわからないから“ホント、すみません。ごめんなさい”って感じだったんです。

 でも、最近、ZOOMのつどいに出るようになって、自分が気づいたことを話させてもらったんですよ。そしたら、つどいが終わった後にある人から電話がかかってきて、段々、段々と話を聞いたら、“えっ? これ、自分とちょっと違うな”と思うんだけど、言えない自分がいたんですよね。何か言いたいけど、言えない。
 さらに、段々、段々と聞いたら、なんか腹がスッキリせんで、終わった後に“何でこんなんして、この人の言うことで腹が立つんやろうか?”と思った時に、“待てよ。もしかしたら、あの人の姿は私やないかな? 私はこんな言い方をしているんかな?”って。
 やっぱり、話し方もいろいろありますけど、私はできが悪い、読みも書きもなにもできん。自分でもダメ、偉くない、バカと思っていて、いろんなこと聞くと“仕方ないね”って諦める自分がいるんですよ。
 “あぁ、この人はこういう目で、私を見ているんやな。仕様がないな”って今まで思っていたけど、待てよ。もしかしたら、私はこういう言葉を相手に言って、相手もイヤな思いをもっていたけど、なんにも言わなかった。
 それをいつも「上から目線よ。気をつけなさい」と注意されるんやけど、素通りして、全然、わかんなかった自分がいたんです。

 だけども、初めて、相手をイヤに思うことで“何でかな? 何でかな?”と考えたら、そこにいったんです。“あぁ、私もこんなものの言い方をしていたのかな。周りの人もイヤやったろうな”と。
 それに関して、腹を立てるわけでもなし、言い返すわけでもなし、そのまんま通っていたもんで、私も気がつかんで、そのままの話し方をしていたなぁっちゅう自分に気がつかせられたんです。
 とにかく、言葉っちゅうのは気をつけて話さないけんなぁって、気づかせていただきました。本当にありがたいことです。ありがとうございました。
Copyright©2023