昨年のことを言いますと、やはり、子どものことが一番、私の中で悶々としていた部分で、いろんな子どもさんをお持ちのご両親の悩みとかを聞いて、“ああ、やっぱり、欲をだしたら、ダメなんだ”って。
うちは息子が二人と、真ん中に娘がいて、長男と次男がフツーなんでしょうかね? ほとんど、しゃべらないんですよ。もういい歳ですけれども、しゃべる言葉っていったら、「おはよう」は言うんですけど、「いただきます」、「ごちそうさま」。それ以外、なにかしゃべろうってことがなくて……。
私としてみると、やっぱり、小さい時から「男の子は男の子らしく」とか、“自分の子どもは自分の思いをわかってくれて、進んでくれるものだ”と思っていたのが、ことごとく、親の思いとは違った道をいくっていうのが、もう、ホントに心配やら、腹立たしさやらで、本当につらかったんですね。
本当は個性があって、それぞれの道があるのに、“私の型にはめてしまおう”っていうか、親の欲で、そういう気持ちが絶えず湧いてくるから、それとは違うことをやられると、本当につらくて、“なんで、こんなに、身体が痛いのに、一生懸命、働いているのに、子どもたちは自分の思いをわかってくれないんだろう?”という思いが、すごくあったんです。
でも、この一年間をふり返った時に、長男といろんな話をして、初めてぶつかった時に長男は長男なりにすごく悩んで、「僕だって、これからはこのままではいけないと思っているんだ」という気持ちまで、全部、言ったうえで、「僕はいい歳なんだから、お母さん、見ていてよ。俺だって、考えているんだから」と言われた時に、“ああ、そうだな”って。
“私はいつも、この子の言っていることを疑ってかかってきていたんだな”っていうことを改めた時に、長男の主張がすごく、スッと私の中に入ってきて、“あっ、今後は、この子が言うことを、まずは信じてやろう”っていう気持ちに変わりました。
あと、一番下の次男が突然、本当に今まで何にも自分の主張をしてくれない、のらりくらりとやっていた子が、バイトですけど、深夜の責任者になったんですね。で、「歌津くんも、もう、そろそろ、この年代だから、ちゃんと自分で市県民税も払ってやっているんだから、厚生年金と社会保険を会社が半分持つから、入ったら」って言ってくださったんです。
その人さまの思いを自分の自信に変えたみたいで、突然、「タバコは好きじゃないから、今まで吸っていたのはクセみたいだから、やめよう」と。あと、自分の部屋の掃除も、今までは足の踏み場もないような部屋だったのを片づけ始めたり、ここのところ、すごく、本人が変わっていく様子が見えたので、「ずいぶん、部屋、キレイにしたね」って言ったら、「ここらで、変えなきゃいけない」と言って。
見ていてもすごく頼もしくて、「お母さんね、身体が痛くて、毎日、朝から、月曜日から土曜日まで働いて、なんの楽しみがあるかと思ってきたけど、今の話を聞いたら、それが栄養になって頑張れるよ」と言っていたら、次男は“フフフ”って笑いました。で、息子から「お母さん、少しのお給料だけど、入れられる限りは協力するから、気をつけて」という言葉もいただけたんです。
だから、“一年、かかって、私、なんにもないかな!?”って思っていたんですけど、今は本当に子どもの成長があって、“ああ、私、子どもと一緒に成長させてもらった”っていうのが、今回、ここに参加した一番の喜びです。