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Vol.118
小さなのことでも…
光部勝浩さん
 うちは4人子どもがいるんですけど、一番下の子が就職で東京へ3月の終わりに引っ越したんですよ。で、自分の中では、軽い気持ちでおったんですけど、実際に引っ越していくと、自分のこころの中にぽかっと、穴が空いたみたいな感じになりました。
 それと、仕事がめちゃくちゃ忙しくて、もう倒れる……。自分で倒れるんじゃないかっていうところまで追い込まれまして、仕事の方もこころの会の方も、もう、ちょっと、嫌になっちゃって、なんにもやる気がしない状態になっちゃったんですよ。
 まぁ、今までの自分のとらえ方ですと、こういうところへ来させてもらって、みんなの話とか、いろんな考えを聞いて、前に進むっていうふうだったんですけど、それが今度は逆転しまして、三つの事があったんです。
 まず、息子(一番下の子)がうちに居なくなって、東京へ行ったのを最初に埋めてくれたのが、いつも行くコンビニでよく話す人だったんです。その人の顔を見て、なんか、その人の笑顔を見ただけだったんですけど、それでホッと自分のこころがあったかくなりまして、ちょっと、よくなったんですよ。
 もう一つは、豆腐屋さんの子なんですけど、その子もちょっと行き詰まっていまして、その子は人と話すのが苦手で、それでも店頭で販売の仕事をやっとるんです。「自分には合わんわ」っていう話をしてくれとって、その時に「みんな得手不得手はあるけど、会話が得意にならんにしても、“なりたいね”っていう気持ちがあったら、前に進めるんじゃない?」って。もうちょっと、いろいろしゃべったんですけど、そんなような内容を話したんですよ。その、話したことによって、また、ちょっと、自分自身が背中を押してもらえたような気がしたんです。
 一番大きかったのは、本人が居るもんで言いにくいんですけど、夫婦でまだ、年甲斐もなく一緒のベットに寝とるんですわ。そこで嫁さんがなんにも言わずに、自分の手をちょっと、そっと、もってくれただけなんですけど、それがすごく嬉しくて……。嫁さんが自分のことを心配してくれて、何も言わなかったんですけど、手をもってくれたその気持ちがすごく伝わってきました。
 それで、今までだったら、こういうところで自分が成長して、それをみんなに“言わないかん、言わないかん”って思っとったんですけど、そうじゃない逆のパターンもあるっていうか。上手く言えんですけど、そういうのもありかな? と。それはやっぱり、大っきいなと思って、このまんま、どうなるかはわからんですけど、自分の中で、今、“一生懸命やろうかな”っていう気持ちがでてきましたんで、また、一生懸命やらせてほしいと思います。