No.41
「死にたい」と言う、その人に私は言った、
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二年前、会社に入ってきた男性なんですけど、引っ込み思案で周りの人とあまりしゃべることもなく、すぐに辞めてしまうんじゃないかと心配でした。それで、私はなにかとその人に声をかけるようにしたんです。それが良いことだと思って。
だんだんと親しく話せるようになったら、仕事とは全然関係ないことをしゃべってくるようになって、私は勝手に、ストレスを発散してるんだと思いながら接していたんです。
それが去年の秋ぐらいから、親しくしゃべれるようになったにもかかわらず、突然、私に対して敬語を使うようになったんです。
私は仲良く職場で一緒に仕事をしていきたいと思っていたので、 “なんで急に変わっちゃったんだろう?” “私に原因があるのかなあ?” と思い、その人にたずねてみました。そうしたら、「いや、オレは気分屋なんだ。だから、放っといてください」と言われたんです。
私はそれまで、自分の中で良いことは相手も一緒だとずっと思っていたんですが、違っていたんです。その良いことは何かと言うと、私は話し合える喜びを、この教えで知ったので、何でも話せることが良いことだと信じて、私は「どうなの?」「こうなの?」って何でも聞いていたんです。
でも、終いにはその人から「プライベートに入りすぎなんですよ。放っといてくれ」と言われ、ガーンという感じになりました。
その後、自分でもその人とどう接していっていいかわからなくなって、二カ月ぐらい戸惑いながら、見守るカタチで関わっていました。でも、全然話ができなくなっちゃったんです。
そんな中、私が体調を崩したときにその人からメールがきました、「大丈夫ですか?」って。私は「心配かけちゃったんだな」って思いました。そのとき、私はその人と関わって “自分が良いと思うことをその人に押しつけてきたんだな” と気づかせてもらっていましたので、「あなたに教わったことがあるんだよ。とても感謝してるんだ」とメールをしたんです。
すると、その人から「電話していいですか?」とメールがきました。電話を受けました。すると、今、会社で悩んでいることをいっぱい話してくれました。そして「自分は何のために生きてるのかわからない」「死にたいんだ」と言ってきたんです。
私はとっさに「あなたが死んだら、私は一生傷つく」と言いました。そしたら、その人はすごいびっくりしていました。きっと今までの私だったら、「そんなこと言わないで……」と相手を慰めていたと思うんです。
だけど、そのときは「あなたが死んだら、私は一生傷つく」という言葉が出ました。それは、家が倒産したときに父が精神的にズタズタになり、 “もしかしたら、父はふとした瞬間に自殺してしまうんじゃないか” と感じたことがあったからです。だから、「死にたい」というその人の言葉に、とっさに口をついて出たんだと思います。
最後に、「あなたからそういう言葉が出たのに、私はなぜ、あのとき、止められなかったんだろうと、止められなかった自分を一生責め続けると思う。世の中にたった一人でも、あなたのことをそう思う人がいるんだよ」と伝えました。そうしたら、その人は「生きます」って言ってくれたんです。
私は、存在感というか、お互いに認め合って生きていく、お互いに支え支えられて生きていくということはこういうことなんだなって思いました。
その後、その人から「死にたい」という言葉は出なくなりました。この自分で、人と関わりながら、人との関わりを生かしながら、これからも生きていきたいと思います。
(2007年7月 関東・甲信越会員ブロック大集合)



