No.37

父に「死んでしまえ」と言ってしまった…。

群馬県邑楽郡 柳川敬史(30歳)

 8年前に亡くなった父は、口よりも手が早い性格でした。よく殴られたりとかもしてたんですけど、子供の頃は、怖いけど、強い父が好きでした。
 その父が脳梗塞になって、だんだん身体が不自由になって、言語障がいとかも起きてきました。弱くなっていく父親の姿を見ていると、好きだったのが逆に嫌いな感じになってきちゃって……。いつもケンカばかりしていました。
 父が亡くなった日も口ゲンカをして、つい「死んでしまえ」と言ってしまったんです。そのことが、すごく自分の中で後悔になっていて、それがきっかけで在家仏教こころの会の青年の活動に携わるようになりました。
 以前の僕はすごく暗かったんです。緊張するし、人と話をするのが苦手、人と関わるのが苦手。だから友達もいなくて、劣等感の塊でした。そんな僕に、周りの人たちはあたたかい態度で接してくれました。だんだんと自信がついてきて、支えてくれる仲間ってホントにいいなって思えるようになりました。
 それでも、父親に「死んでしまえ」と言ったことが引っかかって、苦になって仕方がありませんでした。でも、仲間に「子孫が不幸になって喜ぶ先祖はいない。自分がしあわせになることで父親も喜んでくれるんじゃないか」って言われて、その言葉で重りが取れたような感じがしました。救われました。
 父親のお墓参りに行っても、それまでは「ごめんなさい」だったんですが、今はお墓の父に向かって、「ありがとう」と言えるようになりました。

(2005年11月 久保角太郎六十二回忌法要)

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