No.36
言い聞かせない、今日頑張ったことをほめてやる。須藤由美子(48歳) |
娘が中学校二年生から子供同士のトラブルで学校に行けなくて……。子供自身、行かなくちゃいけないとわかっているし行きたいんだけども、行けない。その苛立ちを、ずいぶんぶつけられました。
子供の気持ちをわかってあげなくちゃいけないって、頭ではわかるんです。でも、なかなかそうはいかない。親だって、こんなに子供のことを考えているのにって、同じレベルになって言い合いをしてしまうんです。
子供に張り倒されたりとか、モノをぶつけられたりもしました。私も感情を出しました。そのときに子供がこう言いました。「お母さんにしか当たれないんだ」って。自分の気持ちを学校で友達にぶつけるわけにはいかないし、お母さんにしかできないんだよって。
私は、子供のことを思うから、問題を解決してやりたいから、元気になってほしいから、ついつい言い聞かせてしまう。
だけど子供は、言って聞かせてほしいんじゃない。ただ黙って話を聞いてほしいし、今日頑張ったことを認めて、ほめてほしいって。わかってほしいって。そう言われたんです。
最初は、暴れる子供が怖いと言うか、引いてしまう自分があったんです。子供を抱きしめてあげれるなんていう気持ちじゃありませんでした。
でも、なんか愛おしくなれるときがあって、抱きしめて、「よく頑張っているね」って。頭をなでて「いいじゃない。学校に行けなかったら別に行かなくたっていいし。行こうと思って起きたけど行けなかったら、行けなくてもいいんじゃない。校門まで行って、そこから入れなかったら帰ってくればいい。教室に行ったけど、やっぱりダメだったら帰ってくればいいじゃない」って。一時間目だけ出られたら「よく頑張ったね」と。そういう感じで繰り返しやっていったんです。
それでもありました、ケンカしたり、お互いにひどい言葉を言ったりとか。でも、やっぱり抱きしめてやるのが一番いいんだなって思います。手を握ってやるだけでもいい、背中をさすってやるだけでもいい。自分の力以上のもので抱きしめ返してほしいというのが、子供の気持ちなんです。
私も暴れたくなるときがあるんです。そのときは、旦那さんに「何にも言ってくれなくていいから、ただただ抱きしめて」って頼んでるんですけど(笑)。
今思うと、そうやって子供の気持ちをぶつけてもらったから、その子の考えがわかるし、どういうふうにしてやったらいいかっていうのもわかる。本当に娘に人間というものを教えてもらったと思っています。
(2009年4月 東北ブロック全国こころの会実行委員研修会)



